大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和50(オ)486 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人岡義順、同関口六郎、同村上精三の上告理由第一点について

本件記録によれば、原審の裁判長は、昭和四九年五月一三日の口頭弁論終結の際、

当事者に対し、判決言渡期日はおつて指定する旨告げ、その後同年一二月一一日、

右言渡期日を同月二三日午後一時三〇分と指定したが、原審は、当事者に対する右

言渡期日の告知及び呼出状の送達をせず、当事者不出頭のまま、同月二三日午後一

時三〇分に公開の法廷で判決を言い渡したことが認められる。しかし、このように

判決言渡期日が当事者に対して告知されず、その呼出状の送達もされないままされ

た判決の言渡しは、法律に違背することは明らかであるが、右違法は、判決に影響

を及ぼさない限り上告理由にならないものと解するのを相当とするところ、本件記

録を精査してもこれを認むべきものはなく、原審に所論の違法はない。�

論旨は、採用することができない。

同第二点について

物権の変動は、意思表示によつて生ずるのであるから、不動産の売主は、売買が

有効である限り、買主に対し、登記の有無にかかわらず右不動産の所有権を主張す

ることができないのであり、この理は、被相続人から不動産を買い受けた者と右売

主と法律上同一の地位にあるその相続人との場合においても同様であることは、い

うまでもない。本件において、原審の適法に確定した事実によれば、上告人の被相

続人であるDは、本件建物をEに対し、売り渡した後、右建物の所有権移転登記手

続をしないまま死亡し、上告人が他の相続人とともにDの法律上の地位を承継した

というのである。したがつて、Dの死亡により同人の相続人らが本件建物を相続し

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たことを前提とする上告人の請求は理由がないとした原審の判断は、正当として是

認することができ、原判決に所論の違法はなく、所論引用の判例は事案を異にし、

本件に適切ではない。論旨は、採用することができない。

同第三点から第五点までについて

所論の点に関する原審の認定判断は、原判決の説示及び挙示の証拠に照らし、正

当として是認することができ、その過程に所論の違法はない。論旨は、採用するこ

とができない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主

文のとおり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 吉 田 豊

裁判官 岡 原 昌 男

裁判官 大 塚 喜 一 郎

裁判官 本 林 讓

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